Norakuro
『のらくろ』は、田河水泡によって生み出され、1930年代に『少年倶楽部』で人気を集めた日本初期漫画の代表的な作品です。主人公は白黒の小さな野良犬で、その名前は「野良犬」と黒い色を思わせる「クロ」を組み合わせたものです。丸みのある姿、わかりやすい表情、テンポのよいギャグには、古いアニメーションや児童漫画らしい素朴な魅力があります。一方で、物語は犬の軍隊を舞台にしており、時代が進むにつれて戦前日本の軍国的な空気や宣伝色も反映するようになりました。コレクションテーマとしては、かわいらしいレトロキャラクターであると同時に、日本の児童漫画、マスコット文化、キャラクター商品史を語るうえで重要な存在です。
のらくろは、貧しい野良犬として犬の軍隊「猛犬連隊」に入り、仲間の兵隊たちの中で居場所を見つけようとします。初期の物語は、失敗や叱られ役、小さな手柄、少しずつの昇進を描く明るい軍隊ギャグとして楽しまれました。しかし時代の空気が変わるにつれて、単なる兵営コメディから、敵の動物軍との戦いを描く軍事色の強い内容へと変化していきます。戦後は、相撲取りや職業人などより穏やかな姿でも再登場し、戦時色だけでなく懐かしいマスコットキャラクターとしても記憶されるようになりました。
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